③ 同一労働・同一賃金

パートタイム・有期雇用労働法で、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保が規定されました。

つまり、正社員と非正規社員の不合理な待遇差が有る場合には、その是正が必要です。

 

※非正規社員にはパートタイム労働者でなく契約社員や派遣社員も含まれます。

不合理な待遇差をなくすとは?

以下の判断基準で検証され、同じであれば「均等待遇」、或は、違いに応じた範囲内での差「均衡待遇」であることが必要です。

手当等はその目的に照らして適切かどうかを検証し、不合理な待遇差を無くすために就業規則等の規則を整備する必要があります。

 

職務内容で検証

一つ目の判断基準としては職務内容です。具体的には、「業務の内容」と「責任の程度」で検証されます。

・業務の内容:販売とか、製造とか、その方の中核的業務の内容

・責任の程度:業務に伴って与えられる権限の範囲で、例えば単独で契約可能な金額の範囲とか、

       管理する部下の人数、成果への期待度等です。

 

例えば、クレーム対応は正社員の業務となれば、非正規社員とはその部分で業務の内容は異なると言えます。

また、正社員には期末の休日出勤対応が必要となれば、責任の程度が異なることになります。

 

職務内容・配置の変更範囲で検証

人材活用の仕組みや運用の方法です。

具体的には、人事異動や役割等の変更の有無や範囲で検証されます。

例えば、正社員には全国的な転勤が有るとか、パートは自宅から通える範囲でしか異動がないとかで違えば人材活用の仕組みや運用が異なると言えます。

 

その他の事情

職務の成果、能力、経験や合理的な労使慣行、労使交渉の経緯等が考慮されて検証されます。

 

待遇に対する説明の義務化

パートタイム労働者や契約社員から正社員との待遇差について説明を求められた場合、それぞれの待遇の内容がどの様に異なるかを明確な基準を用いて分かりやすく説明しなければなりません。

また、説明を求めた人に対し、説明を求めたことにより不利益な取扱いは禁止されています。

 

裁判外紛争解決手続き(行政ADR)の規定整備

不合理な待遇差があると思われた場合、パートタイム労働者は行政ADRの利用が可能となります。

(行政ADR:裁判より簡易。迅速な方法で和解を目指す方法)