「店長から注意されてもそれでも遅刻を繰り返す社員がいるのだが、どうしたら良いだろか?」との相談です。注意を受けても改善されないのであれば、本人はそれほど反省していない、或は、不満を持っているから等何らかの理由があると思われますが、放っておけば周りにも悪影響を及ぼしますので、就業規則に従い懲戒処分を実行することをご提案しました。
内容が遅刻ですので、まずは一番軽い処分のけん責(始末書の提出)から行うことをご提案させて頂きました。
残念ながら、この事例ではその後も改善されなかったので、次の処分として減給処分とすることを提案しました。その際も組織として審議して処分を決定し、正式に通知書を発行して対応する様にご提案させて頂きました。また、注意点として労働基準法に定める減給範囲の遵守も説明させて頂き、ご対応頂きました。時間と根気が必要な業務ですが、適切に対応することが重要と考えます。
社員が生産現場での脚立から落下し、骨折する労働災害が発生してしまった。適切な対応を支援して欲しい。
日頃から安全管理には十分に配慮していても残念ながら労働災害は発生することが有ります。
まず、慌てずに、しかもスピーディかつ丁寧に対処していくことが重要です。
労働災害発生の際の最優先事項は、被災労働者の保護です。また、家族に対しても連絡やフォローを速やか、かつ、適切に行うことが、その後の事態の収束にも関わってくると思います。
次は療養補償給付等、労働安全衛生法に対する速やかな手続きと労災報告が必要です。
上記の緊急事項の対応後は、社内の対応として、安全衛生委員会での報告や再発防止策の推進とその進捗確認が重要と考えます。
当該企業の今回の労働災害発生に関しては、緊急対応事項は予定通り実施することができましたので、今後はその企業内での安全管理体制の構築と安全衛生委員会の実行性確保を推進して行くこととが必要と考えます。
リスクアセスメントの推進によるリスクの継続的な削減、「なぜなぜ分析」等の実施による究極原因の追究と原因の排除活動を支援しながら、更にはハインリッヒ法則、安全衛生法、KYTトレーニング等の社員への教育訓練を継続的に実施していく予定です。
メンタル疾患で長期欠勤している社員への適切な対応方法を教えて欲しい。
同様の内容でお悩みの企業は多いのではないでしょうか?
私も勤務時代に人事担当者として最も悩み・苦労したのが、メンタル疾患の社員への対応です。
現代としてはメンタル疾患は珍しい病気ではなく、企業規模や職場環境に関係なく、いつ、誰が発症しても不思議ではないと思っています。
メンタル疾患の従業員にはこうすれば解決できるという解決方法が有る訳でなく、ケースバイケースで慎重に対応していくことが必要と思いますので、この事例紹介では概略だけ記載します。
まず、メンタル疾患発生時に何よりも一番に対応すべきことは、対象労働者を専門医へつなぐことだと思います。専門医の診察を受けてもらい、その指示を最優先にすべきです。例えば、1ヶ月の静養が必要と診断されれば、業務は周りで何とかして、1日でも早く療養させることです。
その為には、管理職には日頃からメンタル疾患について教育し、職場でおかしいと感じる社員が居たら速やかに会社に報告することを指導しておくことが重要です。
社員が休職することになれば、会社としては就業規則等に従い対処していくことになりますが、トラブルを避けるためには書面で休職期間等の日時を明確にすることが重要だと思います。
復職についても手続きも明確にし、復職時の職務内容、勤務時間・場所等を決定することです。主治医からリハビリ勤務の指示が有る場合がありますので、リハビリ勤務の場合はどうすべきかも検討しておく必要があると思います。
残念ながら復職できな場合も有り得ます。その場合も就業規則等に従い、適切に対処することが必要だと思います。
他には幹部で情報を共有しながら、誰がどう対応するかを決め、進捗を確実にしていくことも重要だと思います。
社内での労務トラブルを防止する目的とハラスメントに対する社会的関心が高まっていることを考慮して、社員に対してハラスメント防止研修を行って欲しい。
当該企業ではそれまでハラスメントに対する研修は未実施であったため、ハラスメントの概要として世間一般のデータや社会的・法的背景を説明した上で、具体的にセクハラ、マタハラ、パワハラについて説明を行いました。
特にパワハラについては、判例や事例を各自に考えてもらう時間も設けながら理解の促進を図りました。
更には、研修会だけでなく2022年の中小企業に対するパワハラ防止法施行に備え、相談窓口やハラスメント防止の社内周知等も支援しました。